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LGBT法案で自民修正案 五輪終われば成立機運消滅も


LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案の今国会成立をめざし、自民党の特命委員会が法律の目的に「差別は許されない」と明記する修正案をまとめ、野党側に提示したことが分かった。野党はすでに「差別解消」法案を提出しており、与野党は詰めの協議に入る。
自民党は2016年に法案概要をまとめ、国政選挙の公約集でも「理解増進を目的とした議員立法の速やかな制定」を掲げてきた。五輪憲章が性的指向を含むいかなる差別も受けない権利をうたっていることもあり、自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会(委員長=稲田朋美・元防衛相)は今夏に予定する東京五輪前の成立をめざす。
与野党協議は自民党と立憲民主党の実務者が先月から進めてきた。野党側は差別解消の目的を明確にし、行政機関と事業者については差別禁止規定を置くよう要求。理解増進を掲げる自民党が、野党案の差別禁止の趣旨をどこまで盛り込むかが焦点となっている。
複数の与野党関係者によると、自民側は7日、法律の目的に「差別は許されない」などと記す修正案を野党側に示した。理解増進をうたう前段に、「全ての国民が、その性的指向又は性自認にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」と加える。野党の法案を一部引用し、差別解消のための理解増進との位置づけを示すものだ。
自民党は16年に総務会で了承した「基本的な考え方」で、「必要な理解が進んでいない現状の中、差別禁止のみが先行すれば、意図せぬ加害者が生じたり、当事者がより孤立する結果を生む恐れもある」と主張している。党内の一部に「差別禁止を進めれば同性婚などにつながる」といった反対論があるため、野党の差別解消法案と一線を画してきた経緯もある。
このため自民党関係者は「これがギリギリの案」と話す。合意に至らなければ与党のみで当初案を提出する構えもみせている。
原文出處 朝日新聞

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