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時評

Yoshiyuki Ogasawara 小笠原欣幸 教授 : 台湾 政府予算大幅削減で可決 / 台灣政府總預算遭大幅刪減並完成三讀


台湾 政府予算大幅削減で可決

台湾政府の新年度予算が成立したが,野党主導の立法院で大幅な減額と凍結を受けた。行政院が提出した2025年度総予算案は3兆1325億元(約14兆8793億円,1台湾元≒4.75日本円で計算)であったが,2075億元(約9856億円)削減され,最終的に2兆9248億元(約13兆8928億円)となった。削減率は6.6%。このほかに,2698億元(約1兆2815億円)が「凍結」された。凍結とは,政府省庁が業務報告を行ない立法院が同意すれば予算を使えるという条件付きである。

予算案削減を主導した国民党と民衆党の野党2党は,「政府予算の無駄を省くための適切で必要な措置」「納税者の利益になる」「削減後の予算で政府の業務に支障はない」と主張。過半数を有する野党の主張に沿って採決が行なわれた。

これに対し行政院は強く反発。卓栄泰行政院長は,給与支払いや補助金など政府の固定支出分を除いた一般予算は1.3兆元であり,ここから2075億元削減することになるので削減率は16%(凍結分を含めると35%を超える)に達するとし,「政府の業務を麻痺させる」「深刻な影響がでる」と主張した。頼清徳総統も,前例のない非常に大きな削減・凍結で,公的部門の日常業務をできなくする,「まったく受け入れることができない」と批判した。

削減項目はかなり広い範囲に及んでいる。外交部の業務費,文化部の助成金も含まれ,これらは関連団体に影響が出る可能性がある。経済部の台湾電力への補助金も含まれ,電気料金に影響がでるのかも注目される。防衛予算関係では,国産潜水艦建造予算の50%が凍結された。予算案の修正はドタバタの中で採決されたので,台湾メディアでも項目が挙がっているだけで,その影響はまだ十分整理されていない。

政府与党と野党との主張は真っ向から対立している。昨年から続いてきた立法院を舞台とした与野党対立は,国会の権限や制度の修正法案など理念的なものが多く,世論調査を見ると賛否が半々近くに割れていた。今回は予算なので,影響は大きくなるだろう。「政府の業務を麻痺させる妨害工作」と見るか,「政府予算の無駄を省いた適切な監督権の行使」と見るか,有権者がどう受け止めるか非常に重要になる。

2025年の台湾政治の行方を決める大きな決戦が,立法院で実質審議もなく1日で終わった。与野党対立はさらに高まらざるをえないだろう。このあと台湾世論がどちらに傾くかで与野党の攻防戦の行方が決まる。

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張進逸 中譯
原文出處

台灣 政府總預算遭大幅刪減完成三讀

台灣政府新年度預算雖已通過,但在在野黨主導的立法院中遭到大幅刪減和凍結。行政院所提出的2025年度總預算案原為3兆1325億元,遭刪減2075億元,最終金額為2兆9248億元,刪減比例為6.6%。此外,另有2698億元遭到「凍結」。所謂凍結,是指政府部門必須向立法院提出業務報告並獲得同意後,才能動支預算的附帶條件。

主導預算案刪減的國民黨與民眾黨兩大在野黨主張,這是「為了節省政府預算浪費所採取的適當且必要措施」、「看緊納稅人的荷包」,並強調「刪減後的預算對政府業務運作不會造成負面影響」。表決依循了擁有過半數席位的在野黨主張所進行。

對此,行政院表達強烈反彈。卓榮泰院長指出,扣除人事支出和補助款等政府固定支出後的一般預算為1.3兆元,從中刪減2075億元,意味著實質刪減比例達到16%(若將凍結部分計入則超過35%),並強調這將「使政府業務陷入癱瘓」、「造成嚴重影響」。賴清德總統也批評,這是前所未見的龐大刪減和凍結規模,將導致公部門無法執行日常業務,「完全無法接受」。

刪減項目涉及相當廣泛的範圍。包含外交部業務費、文化部補助款在內,這些刪減可能會影響相關團體。經濟部對台電的補助款也在刪減之列,外界關注此舉是否會影響電價。在國防預算方面,潛艦國造預算的50%遭到凍結。由於預算案修正是在倉促中表決通過,台灣媒體目前也僅列出遭刪減的項目,對於其影響層面仍待後續釐清。

政府與在野黨的主張針鋒相對。自去年以來,在立法院上演的朝野對立,多聚焦在國會權限和制度修正等理念性法案,從民調來看,贊成與反對的民意幾乎各佔一半。這次涉及到預算,影響層面勢必更加廣泛。究竟是將其視為「意圖癱瘓政府運作的杯葛行為」,還是「對政府預算妥善監督以避免浪費的正當監督權行使」,選民的觀感會是如何將格外重要。

這場攸關2025年台灣政局走向的重大決戰,在立法院未有實質審查下,僅一日便已落幕。朝野恐難以避免走向更加對立。接下來台灣民意會倒向哪一方,將決定朝野攻防戰的後續發展。