港当局に資産が凍結されたため、休刊に追い込まれた香港の大手紙、蘋果日報(アップルデイリー)は24日、最後の新聞を発行し、26年の歴史に幕を閉じた。
24日付の同紙の一面には「雨の中で別れを惜しむ。私たちは蘋果を支持する」という大きな見出しとともに、23日夜、雨の中を同紙の本社ビル前に大勢集まり、最後の編集作業に声援を送った香港市民の写真を掲載した。
同紙はまた、「香港人への告別」と題する12ページの特集を組み、これまで26年間の歩みを振り返り、読者への感謝を表明した。
同紙によると、この日は通常の約10倍にあたる史上最高の100万部を発行した。同日早朝、市内各地の新聞スタンドに市民らは長蛇の行列をつくって新聞の到着を待ち、友人や同僚に配るため、10部以上を購入する人も多かったという。
台湾在住の香港人民主化活動家は「寂しいけれど、独裁政権と最後まで立派に戦って見事に散った。編集スタッフの皆さんに感謝しかない」と話した。
同紙は香港で唯一、中国共産党政権を真っ向から批判する新聞で、香港当局から長年、広告の出稿を止められるなど嫌がらせを受けてきた。昨年6月に香港版国家安全法が施行されたことを受け、創業者の黎智英(ジミー・ラー)氏は同法違反で逮捕、起訴された。
さらに23日までに編集幹部ら6人が逮捕され、同社の資産も凍結された。資金繰りが急速に悪化したため、新聞発行ができなくなっていた。
原文出處 產經新聞
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