今大会は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府方針が示され、多くの大規模イベントで中止や延期の動きがある中で開催された。定員3万8千人で募集された一般ランナーは参加できず、179人の男女エリートランナー、14人の車いす選手に限定して争われ、男子エリートの部は東京五輪代表選考会を兼ねた。沿道での観戦は自粛を求めていたが、大会によると昨年の約69万人から大幅に減少したものの約7万2000人が代表争いの行方を見守った。
苦しい時に選手の背中を押す沿道の声援はマスク越し。42・195キロ、途絶えることなく続いたその一つ一つの声に、素直に感謝できない現実があった。
日本陸連、東京マラソン財団ともに沿道観戦自粛を求めたにもかかわらず、計7万2000人の観客が集結。数十万人規模の例年と比較すれば減ってはいるが、東京マラソン財団の大森文秋事務局長は「たくさんのお客さまが集まってしまった。呼びかけてはいたが、注目の大会。最大限情報発信に努めていたが、見たかった方、ご協力いただけた方、両方いた」と総括した。
マスク7万枚、消毒液200リットルを用意するなど、細かい対策を含め「いろんなお声はあると思うが、やるべきことはやった」と同事務局長。沿道でもスタッフが「お控えください」などの声かけはしたという。早野忠昭東京マラソンレースディレクターも、縮小での大会実施については「間違った決断ではなかったかなと思っている」と語った。
日本陸連の尾県専務理事は「この走りが今、沈滞している日本のムードに少しでも元気を与えることができたのではと考える。批判的な意見はよく存じている。苦渋の決断だったが、終わってみて、よかったと思う」と率直な思いを吐露した。
8日にはまた、東京五輪代表選考会を兼ねて名古屋ウィメンズ、びわ湖毎日マラソンが行われる。好記録が続出したこの“歴史的マラソン”。次週の2レースを含め、美しい大会として語り継がれるよう祈るばかりだ。
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